想いを深く読む
使わない、その先にある庭づくり。

除草剤を使わない。農薬や消毒に頼らない。
さえもん園がオーガニックを大切にしているのは、
何かを使わないことだけを、目的にしているからではありません。
草木が育つ土も、そこをめぐる水も、
虫や鳥、小さな生き物も、人の暮らしも。
庭にあるつながりを、できるだけ残したいと考えているからです。
庭の困りごとを、根元から見る。
草が増える。木が弱る。虫が目につく。
その様子を見て、すぐに取り除く方法を探す前に、
なぜ今、その状態になっているのかを考えます。
土が硬くなっていないか。水が滞っていないか。
日当たりや風の動きは、草木に合っているか。
枝葉だけでなく、育っている場所全体を見ることを大切にします。
原因はひとつとは限らず、すぐに答えが出ないこともあります。
だから、観察し、手を入れ、その後の変化を見る。
環境を整える仕事を、手入れの中心に置いています。
草も落ち葉も、庭にある資源。
草を刈ると、刈り草が残ります。
木を手入れすれば、枝や葉が生まれます。
それらをすべて、庭の外へ運び出す必要があるでしょうか。
土を覆うために草を敷く。枝葉を活かす。
その場所で分解され、次の営みへつながる道を考える。
庭の中で循環するものを、できるだけ増やしていきます。
何でも積んでおけばよい、ということではありません。
通路や建物との距離、湿り方、量や置き場所を見ながら、
暮らしと両立できる還し方を選んでいきます。

生き物がいる庭で、どう暮らすか。
葉に小さな穴がある。草の間を虫が動く。
そんな様子も、生き物が暮らしている庭の一場面です。
何もいない状態を、庭の理想にはしていません。
一方で、人が困っていることを我慢してもらうための庭でもありません。
何が起きていて、暮らしにどんな支障があるのかを聞き、
手入れや環境の工夫でできることを考えます。
虫がいるからすべて問題なのでも、
自然のものだからすべてよいのでもない。
その場を見て、付き合い方を選ぶ姿勢を大切にしています。
手をかけないこととは、違う。
オーガニックの庭にも、手入れは必要です。
歩く場所を整え、草を刈り、木の状態を確かめる。
雨のあとには、水の引き方にも目を向けます。
一度の施工で、ずっと手間がなくなる庭を約束するものではありません。
季節や草木の育ち方に合わせて、関わり方を変えていく。
その積み重ねで、土地に合った庭が育っていくと考えています。
防草シートを使わず、コンクリートも必要最小限に。
土が土として働ける場所を残しながら、
人が過ごしやすい環境を整えていきます。
庭を、続いていく営みとして。
さえもん園が目指すオーガニックガーデンは、
農薬などの薬剤を使わないことだけでなく、
有機物が循環し、命がめぐる庭です。
落ち葉や刈り草が、土の中の生き物の働きで分解され、
やがて次の草木を育てる糧になる。
その土地にある循環を大切にし、庭の手入れに活かしていきます。
草木と土、水と人のつながりを整え、
暮らしの足元に、命がめぐり続ける環境を育てる。
それが、さえもん園がオーガニックを選ぶ理由です。

